2009年01月13日

ベーカリー的名盤BOXセット 〜2008年〜

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくおねがいします。ドラムのサッタです。

なんでもかんでもログ化したい欲望うずまく昨今の風潮ですが、自分が使っている音楽再生ソフトitunesにも再生回数という項目がありまして、アンタはこの曲を何回聴いたよっていうのが、分かるようになってるわけです。凄いですなぁ。では、ソートしてみましょう! 

2008年、オレコン(オレ的にコンフィデンス)・アルバム第1位は!

・perfume「GAME」

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これしかないでしょ、2008年。

2008年1月にあったシングルのリリースに始まり、4月のこのアルバムによっていよいよ人気は全国区に。一部の好事家のみのものだった彼女らの電化ポップスが、まさに2008年の空気となった瞬間でありました。それからのシングルヒット、ライヴツアーの成功、多くのTV出演(ベストはやはり日本テレビ「Happy!」でしょう)、などなど彼女らの活躍はここで書かずとも周知のことでありましょう。

しかしながら、彼女らについて語ること自体がすでに陳腐化してる今、わたしのようなボンクラ・ドラマーが書き加えることなどありませんが、重ねて言うようなことがあるとすれば、それは、「曲が良い」ということと、「常にチャートやポップスといったものに対し挑戦的である」という相反する2つの要素を抱えつつ成立してることでしょう。

年末に放送された彼女らの武道館のライヴ特集を見られたでしょうか? 1曲目の「コンピューター・シティ」で、その魅力が感じられるはずです。

2009年も彼女らの活躍に期待したいです。バラエティだけじゃなく、ドラマや映画(女3人ってのが難しいですが、みずしな孝之「幕張サボテンキャンパス」の映像化なんてどうでしょうか)にも出て、アイドルとしてのその存在感を発揮して欲しいなぁと思います。

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2008年12月04日

ベーカリー的名盤BOXセット 〜その19〜

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気付けば12月です。先生だって走っちゃう12月です。といっても現代日本の先生たちは12月中旬が〆切になっている成績処理(これが激務。「あなたは何事にも積極的で、活発です。しかし、大変おちつきがなく・・・」というようなアレをクラス全員分書くのですから)さえ終えてしまえば、後半は比較的のんびりだったりするのですが。

おっと、口がすべった。

さて今回の名盤はジェフ・バックリィ「グレイス」。このディスクガイドも20回目になろうというのに、いまだに「90年代・アメリカ」の作品を取り上げてないということに気付きまして、超名盤の出番となりました。

あんまりディスクガイドでこういう事を言うのは、しょうもないので止めたいのですが、とにかく聴いていただきたい。ジェフ・バックリィの天賦の才としかいいようのない声があなたの胸に刺さるはずです。

その声は、時に聴き手を優しく撫で、時に聴き手の身体を突き刺すように響く。もしも、この声を言葉で形容せねばならないとするならば、僕は辞書に載っているありとあらゆる形容詞をつなぎ合わせるということをしなければならなくなってしまうでしょう。それほどまでに、その声は深い深い情感を持っているのです。

もちろんソングライターとしても優秀で、不思議な高揚感につつまれる#1「Moji pin」や#2「Grace」、ヒットチャートに登ることだって出来そうな#3「Last Good-bye」、#7「Lover,You should have come over」などでみられる郷愁は、ジェフ・バックリィ自身のソングライターとしても、非凡な才能を有していたことを証明すると思います。

しかしながら、このアルバムのハイライトはレナード・コーエンの「Hallelujah」のカヴァーでしょう。レナード・コーエンの原曲にあった雰囲気を尊重しつつ、完全に自分のものにして歌っています。繰り返される「ハレルヤ」というフレーズが仏教徒の自分にも神聖なものに聞こえてくるのですから不思議です。

自作のロック・ソングから、クラシック曲、ジャズから、果てはヌスラット・ファテ・アリ・ハーン(パキスタンのカッワーリーという音楽の伝説的歌い手です)のカヴァーまでしたというところに、ジェフ・バックリィの「うた」というものへのこだわり、探求心を感じます。

このアルバムは94年リリース。97年にバカンス中にミシシッピ川で泳いでいて溺死してしまう彼の唯一のオリジナルアルバムです。
今は廉価版(昨今の円高もあり、輸入盤は安いですね)で手軽に手に入ります。トム・ヨーク(レディオヘッド)が衝撃を受けたというその歌声、是非、聴いてみてください。
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2008年11月04日

ベーカリー的名盤BOXセット 〜その18〜

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11月1日のKDハポンにご来場くださった皆様、本当にありがとうございました。

その日の共演者である「あいまいなわたしのあい」のあいさんとは、偶然、同業者でありまして、「ライヴが終わったら、仕事の話じゃなくて、音楽の話をしましょう」などと言っていたのですが、結局、音楽の話はしないままでした。何故か? それはもう自分が、音楽の話をするのは、恥ずかしくってしょうがないという1点につきると思います。

「じゃあ、何で音楽の話するのは恥ずかしいのに、こんなシリーズがもう18回も続いてるんだよ」と言われてしまいそうですが、それはもうまったくその通りでありまして、自分でも上手く説明できません。

というわけで、本日紹介させていただく1枚はミルトン・ナシメント「ミルトンズ」です。

ミルトン・ナシメントはブラジルの「ムジカ・ポプラル・ブラジレイラ」(=MPBとも略されます。ブラジル音楽とロック/ポップスのミックスだと考えると分かりやすいと思います)を代表するアーティストのひとりです。「ブラジルの声」などと賞賛されることも多い人です。あ、南半球の音楽は久しぶりですね。

パーカッションが雰囲気を作り出し、ギターやピアノがブラジル音楽特有の甘み(あれは何というのでしょう? )を染み出させます。時折はっとするような曲展開があるところは、スティーリー・ダン〜キリンジ/冨田恵一の作る音楽にも通じるところがあり、単なる気持ちの良い音楽には落ちないフックが効いています。

そしてなによりミルトン自身の声の美しさでしょう。いわゆるソウルフルな感じでも、ウィスパーで囁くような感じでも無い・・・でも、そのどちらでもあるような気がする・・・不思議な美しさを持った声です。そして、どういうわけだか、ミルトンの声には、「この人は上半身裸で、海辺で歌ってるんじゃないか」と思わせる魔力があるんですよね。

行楽シーズンはすでに佳境。寒くなってきてしまいました。「ブラジル移民100年」という節目の年ということでもありますし、休日の昼間、「あ〜、アタック25が終わったら、ゴルフの中継しかやってないじゃない」なんて、退屈な時間のおともにこういうブラジル音楽もいかがでしょうか? 肌寒いけど、日射しはそこそこ。出かけるのはちょっとなぁ・・・ なんていう退屈をドロドロに溶かして、こんな日も良いよねぇ・・・ なんて気分にさせてくれることでしょう。
posted by ベーカリー at 22:29| 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | サッタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月30日

ベーカリー的名盤BOXセット 〜その17〜

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 どうもドラムのサッタです。ここの更新をゆーこさんに任せっきりになってしまったので、ちょっとここらで頑張ってみようと思います。

 というわけで本日のオススメの1枚。
 プリファブ・スプラウト「スティーヴ・マックイーン」です。

 よくある音楽雑誌の企画に、「この人が好きなあの1枚」のような企画がありますが、僕は結構ああいった企画が好きでして、あまり立ち読みもしないような雑誌でもそういう企画があると、つい読んでしまうのです。

 「ああ、こんなに売れてるひとがこれ好きなんだぁ。意外〜」、「やっぱりこの人これ好きだよね。そうだと思った!」というような発見をするのが好きなのです。例えば、V6の井ノ原さんがSIONが好き、というのは意外だったのでよく覚えています(それ以来、井ノ原さんが妙に男気あるひとのように思えて仕方がない)。

 そんな企画や、ミュージシャンのプロフィールにある「好きなアーティスト」欄、そういったものに頻出するのが『プリファブ・スプラウト』という名前。畠山美由紀さんや、biceさんが好きなアーティストとして挙げていたのを覚えています。

『好きな人が好きなら、間違いない! 』

 という、ミーハーこの上ない理由にて聴いてみたプリファブですが・・・ これがね、ものすごく良いんですよ。

 今回は1枚というわけで、彼らのデビューアルバムを挙げましたが、ハッキリ言って、どのアルバムでも構いません。ほとんど変わりません。クオリティは高度安定飛行。ソングライターであるパディ・マクアルーンのメロディの暖かさ、優しさといったら・・・!

 彼らのデビューが80年代ということもあり、リバーブ多め、チープなシンセたっぷり、というあの時代の音なのですが、それがまったく気にならない。このあたりにもメロディの強度を感じます。

 近年はロハスやらなんちゃらの影響もあるのでしょうか、周囲にふわっと浮いて通り過ぎるようなメロディが「よいメロディ」とされる昨今です。もちろんそれも大好きなのですが、グッと心を掴み、そのまま何度も揺り動かされる喜び。初めてテレビやラジオや両親の持ってたオーディオから流れてきた音楽に、「なんだこれ? なんかいい!! 」と心が弾けた瞬間。そんな音楽の素晴らしさを思い出させてくれるのがプリファブ・スプラウトです。

 初秋の雰囲気にも良く似合う1枚です。
 
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2008年09月28日

ありがとうございました!


こんにちは、ドラムのサッタです。

9/27西荻ターニングに来てくださった、お客さん、出演者、スタッフ、みなさんみなさん・・・。

みなさんのおかげで本当に楽しい夜を過ごすことが出来ました!
本当にありがとうございました!

ベーカリー一同、またどこかでお会いできることを祈っています!
(その時はまた楽しい時間を共有しましょうね!!)



posted by ベーカリー at 16:06| 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | サッタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月31日

ベーカリー的名盤BOXセット 〜その16〜

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夏は「冷やし」で! どうもドラムのサッタです。

去年紹介したのは、フェラ・クティ「ゾンビ」で、『真夏だからこそ熱いラーメンを食べるのがいいんだよ! 』的なチョイスでしたが、まぁ、今年も本当に暑い!! こんな蒸し暑い日に、熱い音楽ってのはある種のやせ我慢なんじゃないの?

夏は「冷やし」で!

冷やし中華、ざるそば、そうめん、スイカ、トマト(ガスパチョなんぞにしたらオシャレですなぁ)、ソフトクリーム、チューペット(あれは普通名詞にすると何なんでしょう? サッタ家では『棒アイス』と言います)、麦茶(氷入り)・・・エトセトラエトセトラ。たとえ、「食べ過ぎはお腹に悪いですよ」と保健室の先生に言われたって、食べたくなってしまうのが夏の情け。

やっぱり、夏は「冷やし」で!

というわけで今回紹介するのは、リー・コニッツ「サブコンシャス・リー」です。

オリジナル盤のリリースは1949年。半世紀以上も昔の録音ですが、とても素晴らしいです。一聴すると喫茶店で聴けるようななんでも無いジャズですが、控えめなドラムとベース、リー・コニッツ自身によるシルキーなサックスの音、レニー・トリスターノによる魔法のようなピアノが、古い録音特有のくすんだ音色によって、溶かされることによって生まれる「冷やし」効果は抜群です。
なかでも白眉なのはサキソフォンとギターのデュオ曲「Rebecca」。澄んだ2つの音によるたどたどしいメロディが絡み合うこの曲は、「冷やし」どころか、不思議な呪術のような感じすらします。

暑気と湿気がすべてを包む過ごしづらい季節ですが、こんな一服の清涼剤を溶かしてみてはいかがでしょう? いつもとは少し違うまどろみが得られるはずです。
posted by ベーカリー at 20:37| 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | サッタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月30日

ベーカリー的名盤BOXセット 〜その15〜

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6月に更新ができて、ひと安心。

今回御紹介する名盤は、シュガーベイブ「ソングス」です。

シュガーベイブというバンド、ご存知でしょうか? このアルバム1枚だけを残して解散してしまいましたが、「大瀧詠一のナイアガラレーベル、第1弾アーティスト」、「山下達郎、大貫妙子が在籍」、「はっぴいえんどの解散ライヴに前座として出演」などなど、その伝説的なエピソードには事欠かないバンドです。しかし、その音楽は驚くくらいポップで、発売から30年以上経った今も色褪せることありません。それはサンボマスターがライヴの入場SEに、シュガーベイブの「今日はなんだか」を使ってることからも明らかでしょう(僕はこの話を聞いて、なるほど、と思いました。サンボマスターの妙なオシャレ感はシュガーベイブ由来だったのですね)。

好きな曲を挙げていけばキリがないのですが、山下達郎のコーラスとクールなギターのカッティングが冴える「Show」、気の利いた展開がステキな「Down Town」は、後に多くのアーティストにカヴァーされますね。そのヤマタツ・サイドがこのアルバムの「陽」の部分だとすれば、大貫妙子がリードヴォーカルをとる「蜃気楼の町」、「いつも通り」などは「陰」の部分。ちょっとURCレーベルのフォークシンガーのような物憂げな雰囲気があります。このギャップもとても良いです。

いまや大物となってしまったシュガーベイブの2人のヴォーカルですが、このアルバムでは後の成功を予感させる卓越したソングライティングと同時に、今の2人には無い、初々しさ/清冽さを感じることも出来ます。

「ヤマタツって、クリスマスの人でしょ?」、「オーヌキさんはメトロポリタン美術館くらいしか・・・」という方々にこそ、聞いていただきたい。30周年記念盤という手に取りやすい廉価版も出ているので、是非。オススメです。
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2008年05月13日

ベーカリー的名盤BOXセット 〜その14〜

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どうもドラムのサッタです。5月です。

熱くもなく、寒くもなく、年を追うごとに紫外線が強くなるとも言われていますが、まだ梅雨の気配もなく、乾いた空気が心地よい季節ですね。ふらふらと自転車で飛び出したくなるような、初夏。

今月の名盤は、ポート・オブ・ノーツ「エヴニング・グロウ」。そんな初夏のお供にぴったりな1枚です。

ポート・オブ・ノーツはソロ・シンガーとしても活躍されてる畠山美由紀と、ギターの小島DSK大介の2人によるユニットです。畠山さんの深みのある柔らかな歌声と、それと相反するかのようにデジタルっぽさすら感じる硬質な大介さんのギター。その2つが基調となって生み出す音楽は、そんじょそこらの男女デュオとは格が違います。

シンプルなギターのフレーズ、そしてまったく無駄の無いリズム(「それぞれの海の色」では54−71のボボさんがドラムを担当)。過去を追想するような歌詞はもの悲しげですらありますが、ゆっくりと螺旋を描くように聴き手の中に入り込んで、歌声に包まれているかのようです。松任谷由実がゲスト参加している「Sunshine in the Rain」や、「Trace of Dream」のような爽やかな楽曲に初夏の風を感じながら、ちいさな螺旋とおおきな螺旋、交互にそれらに身を委ねる気持ちよさ。

初夏の真っ青な空、綺麗だけども高さの知れない空、視界一杯にそれを広げて、距離感覚を失って、妙な浮遊感がやってくるように、このアルバムにはとても美しく、ポップな仕上がりながらも、そんな初夏の空のような底知れなさがあります。




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2008年04月08日

ベーカリー的名盤BOXセット 〜その13〜


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月刊になってるブログなんて聞いたことねぇよなぁ・・・ などと自分をぼやかしていたら、ついに丸ひと月空いてしまいました。いや、そのまったく音楽を聴いてないわけではないのですが、なんとなく、ここのコーナーに紹介する時は妙に身構えてしまうのです(読者の中に顔見知りを想像してないせいかもしれません)。

というわけで、このコーナーもついに12回目という記念すべき回ですので、考えに考えた結果、本日御紹介する名盤は岡村靖幸「早熟」です。

岡村ちゃんの初期ベストです。この後、超名盤「家庭教師」を世に出し、こんがらがった女の子への想いを爆発させ、その後、ついには長い沈黙とスキャンダル抜きで語られることが無くなってしまうわけですが・・・。

とりあえず、「早熟」までの岡村ちゃんには幸せなコール&レスポンスがあったのではないか、と思うわけです。「オトナになりたい!」「モテたい!」「付き合ってくれ!」と、ひたすらに望むけれど、女の子たちは「ごめんなさい」とつれない返事。どうしてベイベェ!? ここにすべてのインスピレーションの源泉があったと思います。

そんな岡村ちゃんの音楽は、「何言ってるかわからない」「気持ち悪い」というコメントが付きまといます。この「早熟」のジャケットもちょっと考え物ですね。なぜこの表情なんでしょう・・・。ちなみにこれをパラリとめくると更にもの凄い岡村ちゃん絵巻になっております。

しかしながら、その音楽的才能は疑いが無いと思うのです。「Dog Days」の疾走感、「だいすき」の異様なまでの多幸感、「聖書」の狂気を孕んですらいるビートは、岡村ちゃんの過剰なまでの女の子への想いと、音楽的才能が両輪となることでしか完成しなかったでしょう。「何もそこまでしなくても」というその突き詰めかた、集中力、執着心こそ、岡村ちゃんの魅力であり、フォロワーを寄せ付けないポイントなのだと思います。

スキャンダルを通じてしか知らない方々にも是非聴いていただきたい。ガツンとやられるパワーを味わっていただきたいです。
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2008年02月27日

ベーカリー的名盤BOXセット 〜その12〜

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ゆーこさんが前のエントリーであげていた「やさしさに包まれたなら」。

無知なサッタ少年はずっとこの曲を「映画のための曲なんだな」と何の疑問も持たず思っていました。それだけ映画と雰囲気が見事にマッチしていたということもあったでしょう。あ、申し遅れました。ドラムのサッタです。

「そうじゃないんだ・・・ 」と知ったのはいつだったか思い出せませんが、サッタ少年は多少ひねくれながらもすくすくと育ち(田舎の少年のひねくれ具合などタカが知れています)、はっぴいえんどからキャラメル・ママといった細野ワールドに引き込まれていきます。そしてようやく「ユーミンのバックってキャラメル・ママだったのか! 」と知り、そして、この曲が収録されたアルバムへ。だからこのアルバムを聴いたのはホントについ最近のことです。

というわけで本日御紹介する名盤は荒井由実「ミスリム」です。

旧姓の頃のユーミンさんは切れ味が違います。非常にエッジが効いてます。切々と語りかけるような歌、エレピの柔らかな音が彼岸を思い起こさせます。1曲目の「生まれた街で」から冷たい、けれども心地よい風が聴き手を捕らえます。もちろん、細野さんのトレードマークのようなあの丸いベースの音、林立夫のおおらかなリズム・・・、アメリカ音楽を強く意識したキャラメル・ママによるサポートも完璧です。

特に「魔法の鏡」のマンドリン、「あなただけのもの」のワウ・ギターは非常に効果的。これをポップスの現場に持ち込んだセンスは本当に凄いです(話はそれますが、そう思うと本当に昨今の日本のポップスは閉鎖的ですよね・・・ )。

そして白眉は「私のフランソワーズ」ということになるのでしょうか。ゆるやかなリズムにのる、シンプルなバラードなのですが、この強力な引力。歌と演奏が一体になって、すべてをのみこんでいくような体験はなかなか出来るものではありません。そして最後の曲「旅立つ秋」がアルバム全体のリプライズとなって、このアルバムは終わるわけです。

次の「コバルトアワー」が一転してポップな作品に仕上がっていて、「松任谷の始まり」感があるだけに、実質上、旧姓時代のラストアルバムではないでしょうか。(ちなみに「ルージュの伝言」は「コバルトアワー」に収録)


さて、そのなかにある「やさしさに包まれたなら」が、しっとりとしたアルバム全体の雰囲気の中で、なんというのでしょうか・・・ その・・・ 春先に見かけた名前の知らない花のように、非常に可憐な存在なのです。そういう意味では、「どこにでも、だれにでもあるボーイ・ミーツ・ガールなお話(魔女だけど)」の主題歌になったということは本当にピッタリ。という感じがしますね。
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2008年02月08日

ベーカリー的名盤BOXセット 〜その11〜

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どうも。ドラムのサッタです。3月のライヴの件はとても残念&申し訳ないです。その分、といったらアレですが、ここのブログも頑張って更新したいと思います。よろしくお願いします。

それでは毎度お馴染みの名盤BOXセットです。

前回、12月の更新の時も寒いときに聴く/効く1枚でしたので、今回も、いよいよ冬本番、いよいよキーボード打つ手も冷たくなる日々の供を御紹介したいと思います。Belle and Sebastian「The Boy with the Alab Strap」です。

ええっと、ただいまワタクシ26歳なのですが、同級、もしくはやや上の洋楽リスナーならもう説明不要で愛聴されてる方も多いでしょう。ソフト・ロックの美味しいトコだけ煮詰めたかのような穏やかなサウンド(メンバーに管楽器担当者がいるあたりにソフトロックへの愛情を感じますね)に、決して上手いとは言えないスチュアート・マードックの歌。後に脱退してしまうイザベル・キャンベル嬢もチェロと歌の両方で良い味出しています。

いやぁ、今また聴きながらこの文章を書いてるわけですが、ホントに良いですねぇ。スチュアートのささやきと共に#1「It Could Have Been a Brilliant Career」が始まって、柳腰のように見えても、しっかりギターで曲をドライヴさせる#4「Ease Your Feet in the Sea」にはベスセバのバンドらしさが良く出てる気がします。ストリングスが前面に出て盛り上げる#8「Dirty Dream Number Two」、イントロのエレピ(ウーリッツァーでしょうか? )からついついウキウキさせられてしまう#9「The Boy with the Arab Strap」などの後半の流れは本当に凄い。

12月に挙げた新居昭乃さんのアルバムが冷たい空気と共に風景に融け込むアルバムだとすれば、ベルセバのこれはまさしく、寒い外界から遮断された部屋にある暖炉。もしくは石油ストーブの上でコトコトと煮込まれていくおでんのようなアルバムといえるでしょう。電熱線では得られない不思議なぬくもり。

それにしても、グラスゴーのアーティストは錆び付きませんね。ロンドンから離れることで、浮き世の流れや、浮き沈みと無縁でいられるのかもしれません。
posted by ベーカリー at 20:24| 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | サッタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年01月20日

ベーカリー的名盤BOXセット 〜番外編〜

どうもドラムのサッタです。今回の名盤紹介はちょっと趣向を変えまして、ドラムのサッタが2007年、非常によく聴いたアルバム(自分のitunesの再生回数上位曲)をご紹介したいと思います。こういう企画では、だいたい「その年にリリースされたアルバム」というのが縛りであったりしますが、すいません、まったくもって2007年リリースではないものばかりです。新譜を追っかけるのって疲れますよね・・・。

では、オレコン(オレ的にコンフィデンス)・アルバムトップ5です。

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自分の音楽を聴く時間帯というのが、どうしても朝方と夕方に偏ってしまっているため、そういう時間帯に似合うアルバムが多くなるのですが、このアルバムもそうですね。夜向けです。チェット・ベイカー「シングス」。

ジャズシンガー、というと世間でのイメージは「♪あいりめんば〜」に代表されるような、コブシの効いた歌い回し、というイメージがあるやもしれませんが、チェット・ベイカーはまったく正反対です。弱々しく、囁くような歌。バックの楽器も出過ぎることもなく、やわらかくチェットの歌に寄り添います。
「ジャズ・ヴォーカルもの」を食わず嫌いの人も多いと思いますが(僕は完全にそうでした)、そういった方にもこれはオススメです。なんだかモヤモヤする夜のお供に。「なんか、どうでもいいかぁ・・・」という気分にさせてくれるから不思議です。

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続きましてはこれも憂鬱のお供。たまに「元気がないときは、これを聴いて元気を出します!!」という人がおられますが、実は自分はそういう気持ちがカケラも理解できないんです。「キツイ時に元気なモノ聴いても余計に疲れない? 余計に辛くない? 」と。

そんじゃ、どうするかというと、同じくらい憂鬱で、気怠い音楽を聴くことを僕は習慣としています。そんな時のファーストチョイスがこれ。中島ノブユキ「エテパルマ 夏の印象」。

芸大の先生もやられているピアニスト/編曲家の中島ノブユキさんのアルバムです。芸大の先生らしく、近現代のクラシックに列される作曲家の作品を取り上げて(本人の筆によるオリジナル曲も素晴らしいです)、ボサ・ノヴァ、タンゴ、ジャズ、クラシックの要素をまぜこぜにして、異境のクラシック音楽に仕上げています。溜まった心の乳酸に効きます。

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続きましては、凛とした歌声の存在感が素晴らしいアルバムです。浜田真理子「夜も昼も」。

本人によるピアノと歌を基本にして、そこに大友良英ニュージャズオーケストラ関連のミュージシャンや、ショーロクラブの面々が音楽を仕上げています。しかしながらやはり核は、浜田真理子自身の歌、そして歌詞ですね。非常にあけすけのようでありながら、イヤミではなく、深い愛すらも感じる歌詞には共感を覚える女性の方も多いと思います。

自分自身、第一印象は地味だなぁ、という感じだったのですが、気付けば愛聴盤になっていました。デコレーション過多、もしくはロック一辺倒になる女性シンガーソングライターの世界ではありますが、浜田真理子は完全に別格ですね。

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変態紙一重の歌詞と、奇妙ながらも美しい展開をみせるメロディ、そして冨田恵一による流麗なアレンジ。ポップスの至高にして異形の作品、キリンジ「3」です。

#1「グッデイ・グッバイ」(メロディは楽しげなのに、歌詞は凄い寂しい)から始まって、歌詞もコード進行も不思議な#2「イカロスの翼」。と、「捨て曲なし! これぞキリンジ!」というアルバムなのですが、このアルバムのキモはとにかく「エイリアンズ」に尽きると思います。じわっと染みるイントロのギターから始まる、非常にシンプルなラブソング。ここにキリンジの実力を感じます。素晴らしい。

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なんだかんだと言っておきながら、で、結局、2007年、一番熱狂したのは何か? と聴かれると、弟に勧められ、見事に洗脳されたperfumeに尽きる。と言うしかないです。可愛い女の子がアイドルソングとして非常に優れた曲を歌う、この単純な図式の何とも強力なことよ! のっちー! 

ラジオやライヴのMCで見せる絶妙の喋りのセンスも天才的というしかありません。友人のモーヲタ(にしてヘヴィ・ミュージック愛好家)が、「モー娘。の時は『アイドルにしては面白い』という、枠組みで楽しんでいたけど、perfumeは完全にそこから抜け出している」という至言を残してる通りであります。ゆかちゃ〜ん!

2008年も早速テレビに露出して、なんだかよく分からないが凄いことになってる感が溢れてるperfumeですが、近年のヒットチャートにしては信じられないくらい「戦略の匂い」を感じさせないことは特筆すべきでしょう。これが、エンターテイナーとして実力者であることを証明してると思います。あ〜ちゃん!


では、このあたりで。以前紹介した盤を避けつつ、五枚選ぶというのは存外大変でした。今年も当コーナーをよろしくお願いします。見捨てないで・・・。
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2008年01月07日

「3名様ですかーーー!! 」

意味不明なタイトルですいません。どうも、ドラムのサッタです。
アントキの猪木が好きなんです。

新栄クラブロックンロールでのライヴ詳細出ました!

2月3日 クラブロックンロール
「Green Pop Sugar」
ステンレス/burs/SUNSET RECORDS/ベーカリー

です。

ステンレスさんはロックンロールでライヴするたび、そこに貼ってあるポスターが気になって気になって、という存在で。
bursさんは実は前のライヴの時に対バンしてて(bursさんがトリでした)、ガチッと「バンドだ!」っていう雰囲気がアタマに焼き付いてて。
Sunset Recordsさんは、名古屋のライヴハウスに出入りしてる人間なら知らぬ人のいないバンドで(その上、大学のサークルの先輩がギターでサポートしてました。まだ弾いておられるのだろうか・・・)。

というわけで、今から僕は震え上がっています。
チケットに関するご連絡お待ちしております。是非是非。

(名盤案内はまた次回にやらさせてください)
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2007年12月05日

ベーカリー的名盤BOXセット 〜その10〜

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どうも、ドラムのサッタです。
ゆーこお姉さんに「今年もあと1枚」と振られてしまったので、これは逃げるわけにはいかないというわけで、この原稿に取りかかっております。

さて今年ももう12月です。寒くなってきましたね。暖かい飲み物が恋しい季節、お気に入りのホットドリンクは何でしょうか? コーヒー? 紅茶? ココア? おしるこ? レモネード? いやいや、「熱燗とおでんの汁しかオレは要らねぇ」という無頼派の方もおられるかと思います。

というわけで今回ご紹介する1枚は、そんなお気に入りのホットドリンクのような1枚(ちなみに僕はレモネードが好きです)です。

新居昭乃さんの「降るプラチナ」。

御存知無い方も多いと思いますので、簡単に紹介しますと、新居昭乃さんはシンガーソングライター。アニメやCMなどの音楽も手がけつつ、ご本人の名義でアルバムを製作されています。この「降るプラチナ」は2000年リリースの3rdアルバムです。サウンド面でのパートナーは保刈久明(ギタリスト。最近では「創聖のアクエリオン」の劇伴を菅野よう子と作った仕事が有名でしょうか)、松林正志(透明感・空気感に関してこの人のミックスは本当に凄い)。

電子音、アコースティック・ギターのコード、それから昭乃さんの透き通った声がふわりと訪れる。冷たいようで、じわっと染みこむ声は、#5「Orange Noel」のようなリバーヴ抑えめの生々しいサウンドの中でも優しさを失わずに、聴き手をトリコにします。ファンタジックな詩の世界は好き嫌いあるかと思いますが、肩肘張らずにウーリッツァーの響くがままにその音世界に旅立ちましょう。

北風から逃れて、回り込んだ軒先。ざざざわと木の葉が煽られる音が聞こえる。冷たい空気の壁に囲まれたような気持ちさえする。そんな中、暖をとった記憶が蘇るはずです。レモネード、石油ストーブ、もしくは雲の切れ目からのぞいた角度の低い冬の陽光。


北欧エレクトロニカを好む方にも是非オススメです。
スケッチショウ「オーディオ・スポンジ」が2002年、ムーム「Finaly we are no one」が2002年、ビョーク「Vespertine」が2001年・・・早すぎる北欧エレクトロニカへの回答、とも言えるのでは。しかもそれがアニメの劇伴での活動という非常に秋葉原的な土壌から、というのは完全に「アキシブ系」(アキバ+シブヤ系)的ですね。「アキシブ系」ということでしたら、昭乃さん界隈は、Asa-chang、高桑圭&白根賢一(グレイト3)、チャラ、ロッキーチャック・・・と非常にシブヤ系的なミュージシャンが揃っていますね。そろそろ時代が追いついた、か?
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2007年11月14日

ベーカリー的名盤BOXセット 〜その9〜

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すっかり月1連載となっておりますサッタの名盤ボックスシリーズですが、今回ご紹介するのは、たまにはバッチリのポップスを紹介しないと、というわけで希代のメロディメーカー、バート・バカラックのベスト盤です。問答無用の名盤でしょう。しかも安い!

バート・バカラックってどんな曲作った人なの? な人でも、収録曲を聞けば納得。カーペンターズの歌唱で名高い「クロース・トゥ・ユー」(この曲が日本のテレビCMからまったく消える日なんて想像できません)、「ルック・オブ・ラブ」(菊地成孔&カヒミ・カリィによるカヴァーもありますね)、「アイル・ネヴァー・フォーリン・ラヴ」(これまたCM曲として有名)などなどなど・・・。あれ? どこかで・・・? なメロディが満載です。けれども懐かしさゼロでも、心に染みます。

アレンジも良いです。重厚なオーケストラサウンドには、ちょっと時代を感じさせますが、しっかり打楽器の音(結構、ドラムがはっちゃけてる)を効かせて退屈さから抜け出してるあたりは流石。
ポップ・ファンのみならず、ソウルやクラシック・ファンにも是非聞いていただきたい。甘い甘い、けれども逆らえない魅力がしっかり詰まっています。

個人的には今年のかなり上位に入るヒット盤です。
こういう古い、けれども美味しい要素をベーカリーの中に混ぜていきたいなぁ、と思いつつ、ギターを取り、タカノさんばっかりに苦労を味あわせないよう、今日も曲のアイデアを作ろうと試みるのです・・・。
posted by ベーカリー at 23:33| 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | サッタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月01日

ベーカリー的名盤BOXセット 〜その8〜

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夏、終わりましたね。

7月頃までは妙な涼しさで、あぁ、地球温暖化なんて大嘘じゃん。こんな風にして過ぎていく夏、というのも悪くないなぁ・・・ と思っていたのも束の間、グワングワンと気温は上がり、エアコンのファンの回転数も上がり、電気代も跳ね上がり、文句なしの酷暑がやってきました。

それも今日のような涼しい日が秋雨と共にやってくると、遠い過去のことのようです。全ては降りしきる雨がつくるヴェールの向こうへと追いやられてしまったようです。

残暑すら消えた日。薄れゆく、はしゃぎまわった夏の記憶とともに、「はしゃぎまわった夏」なんてそんなのあるわけねーよ! バーカ! という方(自分もそうです)は、そんな「はしゃぎまわった夏」の幻想とともに、是非、この1枚を添えてはいかがでしょうか?

というわけで本日の1枚は「モーリス・ラヴェル ピアノ曲集」です。

モニク・アースによる詩情あふれるピアノは、ラヴェルの持つ独特の旋律、和音を際だたせてくれます。クラシックなんて退屈! なんて諸氏にこそ是非聴いていただきたい。ただひたすらに美しいだけの音楽。それは人が過去を振り返ることに似ています。涼しい夜に、寝そべって、ただひたすらに流れてくるピアノの音に溺れてみてください。


というわけでトリコロール調にリニューアルされたデザインに合わせて、フランスを代表する作曲家を取り上げてみました。
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2007年08月05日

ベーカリー的名盤BOXセット 〜その7〜

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毎度ながら遅い更新で申し訳ありません。どうも。永遠の受験生、ほとんどリアル・ベンゾウさんとなりつつあるドラムのサッタです。

本日ご紹介する名盤はビル・エヴァンス&ジム・ホール「アンダーカレント」です。ジャズです。

「ジャズを聞こうと思うんだけど、最初の一枚ってどれが良い? 」と聞かれたら、同じビル・エヴァンスでも僕は「ワルツ・フォー・デビィ」の方を推奨するでしょう。優しいリズムと、儚げで可愛らしいメロディはきっとジャズ最初の一枚として適任であるはずです。

ではなぜ今回のおすすめは「アンダーカレント」なのか。それはひとことで言ってしまえば、緊張感、ということになるでしょうか? しかもそれが甘く響く、というのだから不思議なものです。
ビル・エバンスの88本とジム・ホールの6本。合計94本の緊張の糸が重なりあい、美しい音楽を織り上げます。

1曲目の「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」のすさまじいスピード感。響きまで完全にコントロールしているとしか思えないバラードたち・・・ デュオという形式でありながら(しかもギターとピアノというジャズではどちらも「リズムセクション」として扱われていた楽器)、そこには一切の過不足は感じられないのです。

ふたりの天才音楽家によって作り出される空間。そこはむせっかえるような憂鬱さ、心まで溶かされそうな甘さで充満しています。このアルバム以上に「都会の孤独のBGMとしてのジャズ」を体現したアルバムは少ないでしょう。

素晴らしすぎるジャケットも印象的。たまにはジャズにどっぷり酔う日もいかがでしょうか。定型的な「ジャズ」がお嫌いな方にもオススメ。
posted by ベーカリー at 23:20| 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | サッタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月14日

ベーカリー的名盤BOXセット 〜その6〜

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6月10日のライヴにご来場くださったみなさん、本当にありがとうございました。今、ちょうどその時の音源を聴きながら、演奏をチェックチェックです。気付かなかった演奏上のミスはもちろん、「あ、ここは叩きすぎだな」、「ここは寂しくなっちゃってるな」などというアレンジ上のチェックの機会でもあるので、こころして聴いています。

そういえばみなさん、ご存知でしたか? 6月10日は、作曲家/ピアニストの中村八大さんの命日でありました。というわけで今回の名盤は、ギタリストの大友良英さんの手によってプロデュースされた中村八大さんのトリビュート・アルバム「see you in a dream」を。

ググっていただいて収録曲を見れば、「中村八大って?」という人にだって、「上を向いて歩こう」「夢で逢いましょう」「遠くへ行きたい」というタイトルは聞いたことあるはず。そういった名曲たちが、腕利きのミュージシャン(渋谷毅さんのピアノの素晴らしさといったらもう!)によって再アレンジされ、中村八大バンドの最後のシンガーだった、さがゆきさんによって歌われることによって、古びた感じ一切ナシ。見事に名曲が名曲として輝きを持たせることに成功しています。

この企画のコンサート版にも行ったのですが、これまた素晴らしいとしか言い様がない内容でした。丁寧に積み重ねられた楽音たちの中、しっかりと立つ、力強く、澄んだ歌声。


良い曲を良い演奏で。こんな当然のことが持つ、もの凄い音楽としての強度。コンピュータによる補正や、ライヴ会場でのリップ・シンク(口パク)がもはや秘密でも何でもない昨今ですが、そんなご時世だからこそ、音楽への愛情と敬意に基づく演奏と、音楽的な強度を持ちたいモノですな・・・。
posted by ベーカリー at 23:19| 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | サッタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月23日

ベーカリー的名盤BOXセット 〜その5〜

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だんだんと「ベーカリー的名盤」というより「ドラムのサッタ的名盤」のような感じになってきた当欄ですが、まぁ、気にせずに、ね、お付き合いくださると大変嬉しいです。

というわけで本日の名盤はフェラ・クティ&アフリカ'70「ゾンビ」。もう最近暑いですからね。気の早い暑気をぶっとばす熱気の1枚。

このフェラ・クティさんそのものの人生もめっちゃ強烈なんですが、音楽ももちろん強烈。このアルバムの1曲目「ゾンビ」は1曲10分強。ドラム(トニー・アレン凄すぎ!)とパーカッション類が渾然一体となった太っといビートと高らかに鳴るブラス・セクションに貫かれて、腰が勝手に動き出して、踊らずにはいられなくなる。テンション上がります。
部屋で聴いてる時は、一緒に手近の鳴りモノを、ドライブ中でしたら、左足付近のフットレストをガシガシガシッとキックしましょう。ドンツクドンツク勝手にアフリカ'70に参加しちゃいましょう。

夏はさっぱりとひやむぎで。という人よりもむしろ、夏だからこそオデンが旨いんだって! という人の気持ちに、まぁ分からなくはないね、という同意をちょっと与えてしまいそうなアナタ。夏の一枚にアフロ・ビートはいかがでしょうか? 

posted by ベーカリー at 22:39| 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | サッタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月09日

ベーカリー的名盤BOXセット 〜その4〜

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ここ数日は夏日だそうです。風が気持ちよいですね。そんな日の名盤は心地よいものを。

というわけでChocolat&Akitoのファーストです(本当はGreat3の「When you were beauty」を取り上げたかったのですが、聴きたくてもCD棚から失踪中で・・・)。

説明不要とは思いますが、Great3片寄明人とその奥様であるショコラのデュオです。Great3の濃厚なロマンティシズムが、ちょっと胃にもたれる・・・ そんな方にもオススメ。
自然体、ふんわりと広がるメロディ。ちょっとレトロな風情を出すオルガン、言葉少なめにシンプルなリズムを刻むドラム(栗原務、あらきゆうこ、坂田学と名手揃い)。Great3の時はちょっとひねくれてきこえる片寄のヴォーカルも、どことなくリラックス。同じ声なのにな〜。

そして何よりアルバム1枚通して捨て曲ナシ。素晴らしいグッド・ミュージック集になっております。ギターのアルペジオとディレイ深めのシンセが印象的な#1「Walking in the park」から、結婚願望150%アップ間違いなしのラブソング#3「100の疑問符」。時折ビターな#4「Kiss me black」(往年の歌謡曲のような風情がたまりません)、#7「blue tuesday」(ピアノの妖しいコードが、急にオトナの雰囲気を醸し出します)が顔を出しますが、その苦みすら、すべて飲み込み、スウィートネスの一部であるかのようにしてしまう力量は流石、としか言い様がありません。

♪ガットギターの響きより/柔らかい君の肌にふれたら♪「虹と雨」

くあぁぁぁっ! 恋、したっすねぇ。オレ? オレすか? そんなの最近無いに決まってるじゃないすか。だからこうして先輩と呑んでるんじゃないですか・・・。なんつうんすかね、もう、恋、なんてツライんすよね・・・。ほら、色々とあるじゃないすか。う、う、うええぇぇぇん(泣き出す)!!

すいません。取り乱しました。

というわけで本日は「夫婦が作った音楽」を取り上げさせていただきました。あ、Chocolat&Akitoの新譜をまだ買ってない!
posted by ベーカリー at 00:31| 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | サッタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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